溶接練習の様子

今回は「溶接」の練習風景をブログにしました。職人さんの技術伝承の話です。

「溶接」とは

「溶接」とは金属の部品と部品を溶かしてくっつける作業工程です。工場でお面を被って火花を出しながら行うのですが、表紙の写真のような風景をイメージされる方は多いのではないでしょうか。まさにその作業です。

おそらく「溶接」は金属を加工する作業のなかで認知度がトップクラスの工程だと思います。モキ製作所も鉄やステンレスを使った強固な製品が多いので、この溶接作業が占める割合は大きく、最重要工程の一つです。

「溶接」は部品同士が溶けあってしっかり繋がるので頑丈な製品作りにはなくてはならない作業ですが、精度が求められる分確かな施工が必要ですし、技術の修得には練習が必要です。

例えば下の写真はストーブの溶接部。しっかりと部品を繋ぎ合わせています(薪ストーブの炉なので繋ぎ目に予期せぬ隙間はあってはなりません)。

モキ製作所の溶接練習

モキ製作所に入社するスタッフさんには未経験の方もたくさんいますし、入社してからの部署異動もあります。例えば、Oさんは営業職で入社したのですが、今は分離職人のメンテナンススタッフとして活躍&修行中です(部署は営業部メンテナンス課)。

メンテナンス課はお客さんの満足度に直結する重要な部門です。お客さんと直接接するのでコミュニケーションスキルも求められますし、メイン業務はメンテナンスや修理なので製造スキルも必要です。未経験でメンテナンスの仕事を始めたOさんでしたが、さらなる製造スキルの修得のため溶接練習を最近始めました。業務に忙殺されて後回しにならないように時間を作って練習に励んでいます。

もちろん製造部門でも同じように、日常業務の合間を縫っていろいろな技術の伝承と練習が行われています。

溶接は体で覚える

理屈や座学もありますが「溶接」は実践が重要、経験と勘が一番モノを言います。先輩に基本を教えてもらったら、あとはひたすら練習あるのみです。

全国の導入先のお客さんに出張仕事が多いOさんですが、会社にいる時はなるべく速やかにデスクワークを終わらせて溶接練習の時間を確保しています。

先生のK先輩は(見た目に似合わず)丁寧なレクチャーが売りです。(見た目通り)職人肌で言葉使いは荒く厳しいですがその分熱い気持ちがバシバシ伝わります。

↓K親方からの課題に黙々と取り組むOさん。

↓最初の頃の成果物を見比べて成長をひしひしと実感中のOさん。このあと厳しい親方チェックが控えています(親方の見本には程遠いようですが…)。

↓緊張のK親方チェックの様子

今回の宿題は無事クリアだったようです。実戦デビューも間近です!

↓溶加材(溶接棒)を加えながら2枚の板を繋ぐ課題。溶接棒を加えながらの作業は難易度が一気に上がります。

おわりに

最近、ロボット化やAI化の波が加速しています。「溶接」も自動化して効率を図る対象になることが多い作業です。生産効率や社会問題と照らし合わせて考えるとそれは大事な事で、しっかりと意識して対応をしていかなければならないと思います。

只その一方で、一点物の商品作りがゼロになることは無いので機械化が難しい手作業は残り続けるはずです(メンテナンスはとくにそういう場面が多いです)。それに、モノづくりに気持ちを込めることは省人化以上に大切であり、極端な機械化で気持ちが薄れてしまうとしたらそれは寂しいことだと思います。

そんな事を考えながらOさんの練習風景を見ていたら、ちょっと体育会系ですが職人技の伝承風景が残る職場があらためて魅力的に感じました。

溶接作業は毎日続けないと勘が鈍ってしまうとのこと。Oさん、引き続き頑張ってください!

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