時間記録プロジェクト

製造業の皆様、「工数管理」はどのようにされていますか?

製造業の方にとっては「工数管理」や「生産管理」は頻出重要単語だと思います。その割に、その実態は意外とフワッとしているような気がします。

実務でどこまで突き詰めるべきか迷いの多いテーマではないかと私は考えています。

今までは良くも悪くも「どんぶり勘定」

以前のモキ製作所の工数管理は今よりもかなりざっくりだったと思います。部署間で見ている数字や計算方法が違っていて、話が食い違うシーンも多々ありました。

悪く言えば「雑」だったということですが、目的無く精緻なデータ集めやルール作りをするのもどうかと思います。そういう意味では、今までがすごく悪かったというわけでもありません。

特に会長が先陣を切ってモキ製作所を引っ張っていた数年前は、会長の鋭い閃きや勘による絶妙な采配に頼る部分が多かったので、一人ひとりの「工数管理」への意識は今とはまったく違うものでした。

まずは時間記録を始めてみた

只、いつまでも勘や嗅覚で走り続けるワケにもいきません。1年ほど前から「工数」について改めて考えるようになりました。

まず行ったのは、製造スタッフと設計スタッフの作業時間を把握することです。時間を記録するルールやフォーマットが無かったのでまずは簡単な記録シートを作成しました。

そして手書きで作業時間の記録を始めました(実際のフォーマットが下の写真です)。

この手書きの記録は集計役のMさんがスプレッドシートに入力をすることにしたのですが、この集計作業はとても大変でMさんが苦しむことになりました。

作業時間の実態が把握できるようになったことは良かったのですが、作業の大変さが新たな大きな問題になってしまったのです。

アプリ化 改めてフローを設計

苦しむMさんの姿を見て同じ部署のHさんが動きました。

少しコストはかかりますが工数管理アプリの導入を提案してくれたのです。検討の結果、freee工数管理というアプリを使うことになりました。月に1.5万円ほどのコストですが今振り返ってみると費用以上の効果を感じます。

ちょうど全社員にタブレットを支給することを決めたのもこの時期でした。この決定もアプリの導入を大きく後押ししたと思います。

アプリを定着させるためにはスタッフが入力で迷ったり悩んだりしないことが大事です。入力項目やフローについては慎重に検討しました。迷わずに選択肢を選べるか、いろいろな場面のなんども想像しました。この設計図作りには時間がかかりましたがしっかり考えておいて良かったと思います。

↓実際に運用中のフロー図(フローチャート作りにはLarkの機能がとても便利です)

↓入力されたfreee工数管理の画面

↓月次サマリーは可視化して社内共有しています

おわりに 時間記録の使い道

この取り組みで以前は無かった時間データが楽に手に入るようになりました。今後はこの情報をどうやって活かすかが大事です。

良質なデータが手に入ったことで「原価の算出作業」や「案件終了後の振り返り作業」を見直すプロジェクトも始まりました。これらは今まで大事だとは思いながら改善が進んでいなかった苦手なタスクです。見直しプロジェクトは始まったばかりですが、このタスクが進まなかったボトルネックの一つが「信頼できる時間記録が無いこと」だったのはどうやら間違いなさそうです。

「工数管理」と呼ぶには大雑把だと思いますが、自分たちが欲しい情報を工夫して手に入れたことは大きいです。大切に活用しながら進化させていければと思います。

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