サウナストーブの燃焼試験レポート

みなさんも新商品や新サービスの開発には日々奮闘されていることと思います。私達も例外ではなく、目標をもって日々奮闘中です(開発目標については以前のブログもご覧ください)。

そんな新商品開発には構想や企画、設計、試作など色々な段階があります。今回のブログでは、その中でも「製品の性能試験」についてご紹介します。最近実施したサウナストーブの試験の話です。

薪ストーブ試験のこれまでの課題

以前のモキ製作所には開発中のストーブを試験する特定の場所がなく、仕方なく工場前でストーブを並べて焚いていました。しかし、屋外では天候や気温に左右されやすく、試験データにばらつきが生じてしまいます。風が吹くとストーブの熱がさらわれてしまい、ストーブの温まり方や部品の劣化が屋内で焚く時とは大きく違います。

(下の写真は昔の燃焼試験の様子)

商品化がほぼ決まった商品であれば、ちょっと強引ですがショールームや社屋のストーブを入れ替えて試験をしていました。発表前の製品をお客様の目に触れる場所で試験するのは、説明が難しくてなんだか複雑な気持ちになることもよくありました。

「せめて外気の影響を受けない試験場所が欲しい」との思いから、最終的には少し大きめの倉庫の購入を決断。自分たちで屋根に穴を開けて煙突を設置して、専用の試験スペースを作り上げました。これにより、天候や外気を気にせず安定した試験環境が整い、温度測定の精度も向上しました。

(下の写真は導入した試験スペース)

サウナストーブ燃焼試験の挑戦

そして今回の本題は、サウナストーブの燃焼試験です。

もちろんサウナストーブも家用の薪ストーブと同様に、燃焼試験は必須です。しかし、家用のストーブよりも難しいのが「暖房能力の評価」。特に、サウナ室の温度をどれだけ効率的に上げられるかを計測するのは簡単ではありません。サウナ室の仕様によっても異なります。上述の試験用倉庫だけでは能力が良く分かりません。

もちろんサウナの実験室は用意しているのですが、そこまで大空間のものではありません。広いサウナ室での能力評価がしたいけど社内ではどうすることもできずに困っていました。特に、ストーブのダウンサイズを試みる場合、暖房能力が十分かどうかが不安です。そこで今回は思い切って、試験中のストーブをユーザーさんに持ち込みテストを行うことに挑戦してみました。

この出張試験は大掛かりになるので躊躇もあったのですが、結果は正解だったと思います。

試験当日の様子

試験では、当社のサウナストーブ販売店であるサムライサウナさんにご協力いただき、新木場のショールームで2日間かけて実施しました。

1日目は既存のストーブ(MS70)を外し、試験機を設置。文章にすると簡単になってしまいますが、100kgあるストーブを狭いサウナ室から移動させる作業は一苦労です。煙突の接続を切ったり貼ったりする作業にも苦戦しましたが、なんとか設置は完了。試験も無事終えることができました。

2日目は、元のストーブを再設置して現状復旧(これも一苦労です)。その後、試験結果の比較データの収集のためこちらも燃焼試験を行いました。どちらの日も無事に試験を終えることができ、結果は良好!開発が狙い通りに進んでいる手応えを感じました。

想定外の発見と次のステップ

実際のサウナ室で試験を行ったことで、想定外の発見がいくつもありました。良い点もあれば、改善が必要な点も見つかり、どちらも今後の開発を進めるための貴重な材料となりました。これらの材料を得て開発に拍車がかかっています。

出張試験をいざやってみると想像以上に多くの有益な情報が得られることが分かりました。ちょっと大変ではありますが出張試験は開発を進める一つの手段として定着しそうです。実際にサウナストーブの燃焼試験は、他の場所での実施も既に決まっており着々と準備が進行中です。

今回の試験を通じて、製品は完成形に大きく近づきました。今回のサウナストーブの一例に留まらず、新しい挑戦を続け、より完成度の高い商品作りを目指したいと思います。

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