今回は、当社のユニークな製品の一つである「無煙炭化器」を海外に展開する挑戦についてお話ししたいと思います。
無煙炭化器は私の入社以前からある長寿商品なのですが、近年の環境意識の高まりにより、注目度が急上昇しています。放置竹林や脱炭素、温室効果ガス削減、バイオ炭といったキーワードも関連し、今まさに波に乗った感のある商品です。
最近、この無煙炭化器を武器にした海外展開の取り組んできました。事業年度も変わったので、ここで一度その取り組みを振り返ってみたいと思います。
きっかけ
そもそものきっかけは、ふと出会ったユーザーさんからの「無煙炭化器はアメリカでも売れそう」との声でした。
無煙炭化器に限った話ではなく、以前から海外販路開拓には興味がありました。しかしコロナ禍もあり、一度はその熱が冷めていました。
それでも、以前にアメリカに住んでいたというそのユーザーさんとの会話から、改めて海外展開に向けての意欲が沸き起こり、再び挑戦を始めることになったのです。
よくよく考えてみると、無煙炭化器は山梨県が取り組む「4パーミルイニシアチブ」というプロジェクトで大活躍しています。そして、この考え方の発祥はフランスです。
こんなことからも海外にチャンスあり、と感じました。(4パーミルイニシアチブについてのブログはこちら)
まず初めにやったこと
海外進出に関しては何もわからない状況からのスタートでした。
新規営業はモキ製作所の得意技だと思います。まずは海外で商品を扱っている企業に連絡をとり、アドバイスや意見を集めました(ド新規です)。
その行動は直接の取引には結びつきませんでしたが、相談ができるネットワークを作ることができました。
市場調査とその結果
次に行ったのは海外市場の可能性を見極めるために市場調査です。
市場調査は外注しました。
約3ヶ月間、進捗会議を行いながら調査を進めてもらった結果、バイオ炭への注目度は世界規模で上昇していることを確認。これは予想通りの結果でしたが、プロジェクトに勢いがつきました。
そして「いかに炭化器の認知を広げ、購買に繋げるか」という課題が具体的に浮き彫りになりました。
認知拡大と購入ルートの確立
バイオ炭の注目度は高まっているものの、まだ一般的な認知は不足しています。そのため、まずはバイオ炭や当社の無煙炭化器を知ってもらうことを優先しました。以下は実施した認知活動です。
認知活動1:
自社ホームページに英語のページを追加し、YouTube動画には英語字幕をつけ、国際的な視聴者にも情報を届けるようにしました。まず既にあるリソースを見直すことは基本ですがとても大事だと思います。
認知活動2:
有機農法や農機具のインフルエンサーにDMでアプローチしました。最初は確率の低い挑戦と思ってましたが、アメリカのYouTuberの動画で取り上げてもらうなどの成果が少しずつ出ています(実際の動画はこちら)。思っていたよりも反響が得られて驚きました。
認知活動3:
Web広告も実施し、特定エリアを対象とした反応を探っています。
さらに、海外で農機具をEC販売している代理店とのパートナーシップ構築も進行中です。自社英語サイトからの導線も整え、入手ルートの確立に向けて準備を進めています。
現在の実績
まだ小さな波ですが、海外からの問い合わせや購入は少しずつ増えている状況です。ニーズのある国やユーザー層の把握には苦戦中ですが、商品を知ってもらう以外の課題も明確になり、次の一歩を踏み出すためにやるべき事ががはっきりしたのでポジティブに捉えています。
スピードはゆっくりですがこの1年は充実した内容だったと思います。今後の飛躍を目指して引き続き努力していきたいと思います。