最近とても気になっていることがあります。
それは「新商品って、どうやって育てるものなんだろう?」という話です。
ここまでの商品開発の成果
商品開発に関わるようになって、およそ4年(私は設計でも作り手でもありませんが)。
振り返ってみると、大小さまざまではあるものの、20個近い新商品を出すことができました。
もちろんその裏には、途中で頓挫した企画や、形にならなかったアイデアもたくさんあります。
でもまずは、「数を出せた」ということが、一つの成果だと思います。
やっぱり、何かを外に出してみないと、その先の反応や改良点は見えてこないので。
目標に向かって取り組む中で、新たな気づきを得られました。
見えてきた手応えと、課題
今、掲げていた一つの目標が達成できそうなところまで来ています。
それは「過去3期+今期の商品で、全体売上の10%を構成する」という目標です。
ただこれは、一回達成したら終わりじゃなくて続けることが大事です。
そういう意味だとまだ3合目にも到達はできていない感覚ではあります。
最近はこれを続けることの大変さを痛感しています。
でも、社外から見たら、「なんか元気な会社だな」と思ってもらえるかもしれません。
正直に言えば、毎回の開発や発売のたびに反省点も山ほどありますが。
商品の完成度には毎回悩む
もちろん、商品の完成度は高いに越したことはないと思います。でも、売ることを意識して盛り込みすぎると作るのが難しくなることも多々あります(その逆もまた然り)。
ここが摩擦になることは非常に多いです。
私は完成度以上にアウトプットが大事だと思っているので、「売りながら商品を育てる」ことを大切にしています。
そこをお客様に納得していただけたときはすごく嬉しいけれど、あまりにこちらの都合ばかり押し付けてはいけない。その塩梅も難しいところです。
商品だけではなく、その商品の背景にある課題やニーズを育てることも大事ではないかと思います。
育てる商品ほど、ターゲットの設定(顧客層やエリア)にも迷いが出ますし、社内での共有もなかなか一筋縄ではいきません。
社内の共有については本当に深く考えさせられます。
思った以上に「言った」「書いた」では届かないことが多いですが、大切な工程なので時間や工夫を惜しまないことが大事だと考えています。もしかしたら、ここが商品開発の山場の一つかもしれません。
モヤモヤしていたときに、出会った話
そんなふうに、あれこれ考えていたタイミングで、ある講演を聞く機会がありました。
講師は、元・日産のエンジニア、水野和敏さん。あのGT-Rを手がけたすごい人です。
なんと、出身地がモキ製作所のすぐ近くだったという偶然もあり、親近感を覚えながら話を聞きました。
正直、難しい話も多くて、全部を理解できたとは言えません。
でも、とにかく印象に残ったのはその「立ち振る舞い」や「雰囲気」です。
声が大きいわけでも、身体が大きいわけでもないのに、ものすごくエネルギーを感じました。
「人の心を動かす」「人を喜ばせる」という視点で商品を考えている人の迫力というか、説得力というかを感じました。
こういう人が、ものづくりを引っ張ってきたんだなと感慨深かったです。
おわりに:育てることに向き合う
新商品を「完成させる」ことももちろん大事。
でも、それだけでなく、「育てる」視点を持ち続けることの大切さを、改めて感じています。
モヤモヤしていた時期に、水野さんの話を聞けたのはラッキーでした。
実践は簡単ではないですが、自分が共感した部分、かっこいいと思った部分を少しでも真似していけたらと思います。