会社のビジョンって、誰がどうやって作ってるんだろう?
そんな疑問を持ったことがある方に、今回は「ビジョン策定」のリアルな過程をお話しします。
きっかけは、社長の発案でした。
「事業承継が進んでいる今、中核メンバーと一緒に、これからの会社のビジョンを描いてみたい」
その思いから、各部署のリーダーたちが招集されました。社長を含めて総勢9名。普段は実務でバリバリ活躍しているメンバーたちです。
「どうせやるなら、働く自分たちがワクワクできるものにしよう」
「社外にも誇れるようなメッセージにしよう」
そんな目標を掲げて、月に1〜2回のペースで、全4回のビジョンミーティングが始まりました。
(下の写真は実際のアジェンダ)
第1回:目的とゴールの共有、そして原点回帰
最初のミーティングでは、まず「なぜ今ビジョンをつくるのか」「どこを目指すのか」を全員で確認。
また、他社の事例や、自社のこれまでの歩みを振り返りました。
「うちの会社って、こんな経緯で始まったんだ」
「ここが会長の転機だよね」
そんな声が自然とあがり、普段の忙しさの中で見過ごしていた“原点”に、あらためて触れる時間となりました。
第2回:現状を見つめ直す
次は、いまの立ち位置を客観的に見る回。市場分析、自社商品やサービスの棚卸し、強みの洗い出しを行いました。
「競合に比べて、うちはどこが優れてる?」
「実際にお客様が選んでくれてるサービスって何?」
メンバーそれぞれの視点から、率直な意見が交わされ、これまでなんとなく感覚で捉えていた“強み”が、言語化されていきました。俯瞰してみることで、「やっぱりうちの会社のここってすごいな」と再確認する場面も。
第3回:未来を想像する
この回では、少し想像力を働かせました。
「どんな会社になったら楽しい?」
「どんな働き方がしたい?」
「何を大事にしたい?」
事前の宿題だった記入用紙を見ながら、メンバーそれぞれが思い思いに意見を出しました。
正解なんてないからこそ、いろんな視点が混ざって面白いと感じました。でも、「未来をより良くしたい」という気持ちはみんな一緒です。
第4回:ビジョンを言葉にする
そして迎えた最終回。
これまでの議論をもとに、いよいよビジョンの言語化です。
これまでの議論から、社長がまとめてくれた叩き台をベースに意見を出し合いました。社長の案だからといって忖度はありません。一言一言丁寧に意向の確認や言い回しの提案などが行えたと思います。
完成したメッセージも大切ですが、個人的には「これを考えた過程こそが、何よりの財産だった」と感じています。
“正解”に向かって議論するというより、“納得解”を全員で探していくような、不思議な一体感がありました。
心に残ったキーワードたち
もちろん、全員の意見をそのまま反映するのは難しい。けれど、それぞれの心に残るキーワードがあったはずです。
私自身、特に印象に残った言葉や考え方を最後にいくつか書き残したいと思います。すべてが議論で登場した言葉ではありません。考える過程での思いつきなども含まれています。積極的に使いたいキーワードです。
未来を意識すること
“今”だけでなく、その先に続く時間の流れを想像すること。
シンプルな発想、最適解(これでいいんだ!)
複雑に考えるよりも、余計なことを削ぎ落として、本当に必要なものを見極める姿勢。
外部環境に負けない強さ、沈まない小舟
社会や経済が大きく揺れても、ぶれない核を持つこと。大船に乗ったつもりにならない危機意識。
しぶとさ、したたかさ
転んでもただでは起きない、そんなしなやかな強さ。賢く手を抜く。
チャンスは誰にでも平等
挑戦の場は、役職や年齢や学歴に関係なく、全員に開かれている。掴み取ったもの勝ち。
最後に
ちなみに、個人的にずっと気になっている“ビジョン的なキーワード”に、トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」があります(これってビジョンですかね?)。
賛否はあれど、あれほど明快に「この軸で判断する」という姿勢を貫いた言葉は少ないのでは。これは困ったときや判断に迷ったとき、「原点に立ち返るための指針」なのでは。ビジョンってそういうものかもしれないと感じつつ、これだけだと不十分だとも感じました。うーん、深い。